秋の味覚【柿】

空を見上げて秋を感じる時、先人達は庭先でオレンジ色に光る柿の実を一緒に見てきました。
正岡子規の有名な句「柿食えば~」は、日本人の私達が慣れ親しんできた秋の味覚である柿と日本の文化が深く関わっている事を教えてくれますよね。

今回のテーマは柿です!

柿は、縄文・弥生時代から日本に定着していたカキノキ科カキノキ属の植物。
奈良時代の人々は既にそれを食用とし、平安時代にはなんと干し柿にするという生活の知恵も編み出されていました!

日本には大きく「甘柿」と「渋柿」の2種類があります。
さらに渋の量や種子の有無、渋の抜け方で、甘柿の中で“完全甘柿”と“不完全甘柿”に、渋柿の中で“完全渋柿”と“不完全渋柿”に分けられます。
ちょっとややこしいですね。。。 
そこで下記に種類と代表的な品種をまとめました!

【甘柿】
① 完全甘柿(自然に甘くなる)
・富有
明治時代から栽培され続けている人気の品種で、柔らかい果肉で果汁も多く、甘味が強いのが特徴です。
日持ちが良く、10月から翌2月頃まで長期にわたり出荷されます。

・次郎
歴史が古く、一時期は一世を風靡しました。
富有よりも果肉が硬く、歯触りが良好でしっかりとした甘味があります。

・太秋(たいしゅう)
富有を親とした比較的新しい品種で、1個のサイズが350~400gと大きめです。
サクサクとした独特の歯応えが特徴です。

② 不完全甘柿(種が多く入ると自然と渋味が抜ける)
・西村早生
形は富有に似ていますが、甘味は控えめです。
渋が抜けていない場合もあるので、その時は渋抜きをして出荷されます。

・筆柿
筆の先のような形をしていることから名付けられました。
果肉に黒い斑点が入っているのが、やさしい甘味が出てきた証です。

【渋柿】
① 不完全渋柿(種が入ると種の周辺だけ渋みが抜ける)
・平核(ひらたね)無(なし)
完全甘柿の富有と併せて流通量が多く、種無し柿として認知度が高い品種です。
出荷時に渋抜きをする事で甘くなり、丸みを帯びた富有と比べると、扁平な四角い形が特徴です。

② 完全渋柿(種が入っても渋いままのもの)
・西条
数百年の古い歴史を持ちます。脱渋を行う事で上品な甘味を感じる事ができます。
干し柿にして食される事も多い品種です。

柿の栄養素の特徴は何といってもそのビタミンC含量の高さです。
ビタミンCは強い抗酸化作用を有し、体内でフリーラジカルから細胞を守ります。
また、植物性食品からの鉄の吸収を促す機能や、病気から身体を守るための免疫系を助ける機能も持ちます。
品種によってその含有量を調査しましたのでご紹介します(図1)

甘く食べやすいカキは一度に多くの量を食べられるので効率よいビタミンCの補給源と言えるでしょう。

その他にカキはβカロテンや食物繊維も含みますが、干し柿にする事で、その含有量が高まります。
抗酸化力※2を測定してみると、なんと約3倍にも高まる事が分かりました!
(図2をご覧ください)

柿の渋味の原因であるカキタンニンも、血中コレステロールの上昇を抑えたり、脂肪肝を抑制したりと様々な機能を持つことが明らかになっています。
柿は、果皮も果肉も元気カラーのオレンジ色。
これからの季節には、カキを毎日1個食べ、美味しさも元気も取り入れて過ごしたいですね。

青果日和では、これからも元気の源となる野菜や果物の情報を、データと共にご紹介していきます。
     ※ 植物ストレス耐性力

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