ビタミンU、ビタミンC デザイナーフーズリストに君臨する主要野菜【キャベツ】

こんにちは!暦の上では春を迎えましたが、まだまだ雪が降るなど寒い日が続いていますね。寒い時ほどポカポカしたお料理で身体を温め、ココロもあったかくありたいですね。
今回は、生良し、煮て良し、焼いても良しの万能野菜、キャベツのご紹介です。

■キャベツについて
アブラナ科アブラナ属のキャベツ。
原種は現在のケールのような形をしており、ヨーロッパ西部や南部の海岸地帯に生息していました。
栽培化が進んだ13世紀頃に丸い結球型に改良され、その後、陸路を経て中国にも伝わりました。
でも日本に伝わったのは、実はオランダから。
18世紀初頭にオランダ人によって長崎に持ち込まれたのが最初です。当時は主に観賞用の葉ぼたんとして栽培され、オランダ人が持ち込んだことから紅夷菘(おらんだな)と呼ばれていました。
現在のような結球したキャベツが広く栽培されるようになったのは明治時代に入ってからで、一般家庭に広く普及したのは第二次大戦以降になります。 日本独自の栽培品種を中心に主要野菜としての地位を築きました。皆様の食卓にあがる頻度も非常に多いのではないでしょうか。

■キャベツの種類と抗酸化力※
【冬キャベツ(寒玉)】
玉が硬く締まり、中の色が白っぽい品種です。
寒さや霜に当たると甘味を増し、加工用や煮込み料理に適しています。

【春キャベツ】
巻きがゆるく緑の濃い品種です。
柔らかい葉が特徴で生食に向きます。

【グリーンボール】
キャベツと同じ形をしていますが、ひと回り小ぶりな品種です。
葉はやや厚めですが柔らかで、巻きは硬めです。

【芽キャベツ】
上記、グリーンボールより更に小さい品種です。
葉の付け根のわき芽が2~3cmくらいに結球し、太く伸びた茎に沢山付きます。
ほろ苦い独特の味わいがあり、炒め物に適しています。

【プチヴェール】
芽キャベツと、元々キャベツの原種であるケールを掛け合わせた品種です。
茹でてサラダにしたり、形を生かした付け合せにしたりします。

【サボイキャベツ】
大きさは冬キャベツと変わりませんが、その葉が縮れている品種です。
フランスのサボア地方生まれ。ちりめんキャベツとも呼ばれます。
着崩れしにくいので、煮込み料理に向いています。

その他、日本国内での栽培量はさほど多くありませんが、北ヨーロッパやアメリカ全土、中国で見られるのが、葉が赤紫色の「紫キャベツ」
紫の色素はアントシアニンです。その色は土壌のpHによって変わり、酸性土壌ではより赤く、中性ではより紫色に、アルカリ性では黄緑色になるため、同じ種類であっても地域によって違う色になることがあるんです!面白いですね。
調理すると赤紫色が青色に変わってしまうので、お酢または酸性の果物を加えると変色を防ぐ事ができますよ!

実は、色々な種類があるキャベツ。それぞれの抗酸化力※が気になるところですね。
もちろん測定してみました!やはり、アントシアニンを含むレッドキャベツ(紫キャベツ)が最も高い結果に!次いでプチヴェール。サボイキャベツも高い抗酸化力※を有していました(グラフをご覧ください)。



■キャベツの栄養と旬
昔から知られるキャベツの成分として、胃の働きや胃の粘膜を正常に保つビタミンUがありますね。
またアブラナ科の植物に特徴的なピリリとした辛味はイソチオシアネート。辛味の強いキャベツ程、イソチオシアネートを多く含んでいる可能性もあります。キャベツの外側の葉には、骨を丈夫にするビタミンKも含まれています。

そして、何といっても注目したいのがビタミンC含量です。
旬の時期のキャベツのビタミンC含量は、レモン果汁とほぼ同量にまで増加します!
では、キャベツの旬はいつ?
1年を通してキャベツのビタミンC含量を測定してみると、値が高くなっていくのは12月頃から2月でした!
抗酸化力※も2月に最も高くなりますので、中味栄養素や成分から見たキャベツの旬は正に今、この時期ですね!(こちらもグラフをご確認ください)。



アメリカ国立がん研究所が発表した「デザイナーフーズリスト」で、第2位に君臨しているキャベツ(ちなみに1位はニンニクです)。そのヘルシーパワーを享受するためにも、今月は是非いつもより頻度高くキャベツを召し上がってみてください。

青果日和では、青果ボックスに入っているお野菜や果物の保存方法やお役立ち情報を、実際の実験データをご紹介しながらお伝えしていきます。
※植物ストレス耐性力

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