歴史の深い大根:白とは異なる特徴を持つ赤色品種【赤色大根】

こんにちは!気温が少しずつ下がってきて、温かいお鍋やスープ、おでんなどが美味しくなる季節になってきましたね。今回は、お鍋やおでんに欠かせない大根について取り上げます。

ダイコンはアブラナ科ダイコン属の植物です。
原産地は地中海沿岸から中央アジアといわれています。

日本でもその栽培の歴史は古く、“スズシロ”の名で七草粥に用いるなど馴染みの深い野菜ですね。
“大根”と言えば、通常頭に浮かぶのは細長い形で白色ですが、実は、根の長さ・太さなどの形状の多様性に加え、皮の色も白以外に赤・緑・紫・黄・黒など様々な品種が登場しています。

今回は、そんなちょっと変わった赤い皮色の大根に着目していきます!
赤色品種のダイコンはいくつかのタイプに分類されるので、タイプ別にご紹介しますね。

【皮が赤く、身は白いタイプ】
・レディーサラダ
神奈川県三浦市の特産野菜として作られている品種です。

・紅大根
表皮が鮮やかな紅色で、辛味はほとんどなく、ほんのりとした甘味が感じられる品種です。

【皮が紫色で、身が白いタイプ】
・紅甘味ダイコン
首から先端に向け濃い紫から白へとグラデーションになる品種です。

・ミラノダイコン
ニンジンとよく似た形をしており、色は薄い紫色~濃い紫色まであります。

【皮が赤や紫で、身にも同じ色が入るタイプ】
・紅しぐれダイコン
外皮の部分が紫色で、中心部分にもうっすらと紫色が入っています。
綺麗に発色することから、酢漬けや漬物にも適しています。
(10月の青果ボックスでお届けしています!)

・辛いねダイコン
名前の通り、激辛です。赤い物と白いものの二種類があります。

・紅総太りダイコン
外皮が濃い赤色で、胴から先端に向け薄いピンク色のグラデーションになります。

【皮は白く、身が赤いタイプ】
・紅芯ダイコン
丸みのある中国系の品種です。水分も多く甘味もあるのでサラダに向きます。

【皮と共に果肉も赤いタイプ】
・紅くるりダイコン
外皮だけでなく、中の果肉も鮮やかな紅色をした赤大根。
普通の大根同様のみずみずしさと柔らかさを兼ね備えています。


ダイコン類の根部が紫色や赤に着するのは、アントシアニン色素よることが明らかになっています。
赤色はペラルゴニジン配糖体、紫色はシアニジン配糖体と同定されています。

アントシアニン色素は、強い抗酸化作用を有する事が知られているので、モチロン赤色品種同士で抗酸化力※を比較してみましたよ!
トップは、果肉部分まで真っ赤な紅くるり大根
次いで、果肉部に紫色が入っている紅しぐれ大根 の順になりました!
(グラフをご覧ください)。

赤ダイコンの品種と抗酸化力
白色品種と比較して、赤色品種にはサッカロースやフルクトースがより多く含まれているので、ほんのりとした甘味も感じる事ができます。

日本人にとって歴史の深い野菜の“大根”。
白色品種と共に、今後、赤色品種の人気も益々高まっていくことを期待します。

青果日和では、これからも青果ボックスに入っているお野菜・果物について、品種特性やその中身栄養素などのデータをご紹介していきます。
※植物ストレス耐性力

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